その皮膚はただれ、青ざめている。
カッと開かれた口からはやけに長い犬歯が見えた。
「ゾンビ化してる!」

千歳は叫んで咄嗟に飛び退った。
先生はうめき声を上げながらふらりと立ち上がる。

そして両手を前に突き出してゾンビ特有の歩き方を始めたのだ。
「なんで!? 先生は人間に戻ったんじゃなかったの!?」

四条姉妹が叫ぶ。
育美は教室の隅へと逃げていった。

「このままじゃ襲われる!」
明宏の声に千歳は我に返ると、モップを握りしめた。
「ごめん。先生!」

叫ぶように言ってモップを先生の頭部へ打ち付ける。
先生はすぐにその場に倒れ込んだ。