勢いよく立ち上がって育美の襟首を両手で掴んだ。
「あんたのせいで杉川くんは死んだんだよ! あんたが、いやらしいことをしようとしたから!」

「今なんの関係があるの?」
「ちょっとは罪悪感とかないわけ!? こんな状況なのに全然協力的じゃないし、ワガママばっかり!」

今まで我慢してきたものが爆発する。
育美への不平不満はこれだけでは収まらなかった。
だけど目の前の育美は平然とした顔をしている。

きっと今までも自分の意思を貫くために、沢山の人に嫌われてきたんだろう。
散々怒鳴ったあと、千歳は肩で呼吸をしながら育美から離れた。