突然、教室後方にいる男子生徒が立ち上がったのだ、
椅子がガタンッと後ろに倒れて大きな音を立てる。
全員が手を止めて振り向いていた。

その生徒は普段は大人しくて、あまり声を聞いたことのない生徒だった。
ほっそりとした体型で、女の子みたいに可愛い顔をしている。
「おい、どうした?」

監視の先生が声をかけても返事をしない。
男子生徒は呆然とした様子でそこに立っているだけなのだ。
どうしたんだろう?

千歳がそう思った次の瞬間だった。
男子生徒が突然隣の席の子に襲いかかったのだ。

「キャア!?」
教室内に悲鳴が響き、すぐに先生がかけつける。