千歳はモップを握りしめて1度目を閉じた。
大丈夫。
ソンビたちはモップの攻撃でひるむ。

だからドアをあけて、一気に攻撃すればいい。
トイレの個室からは相変わらず育美が話しかけてくるけれど、もう千歳の耳には聞こえてなかった。

目の前にいるゾンビに集中する。
先生を倒さないとトイレで育美と一生を共にすることになる。

それだけは嫌だった。
千歳は呼吸を整えると勢いよくドアを開いた。

先生がゆらりと入ってくる。
両手は前に突き出されて、動きはとても鈍い。
今にも倒れてしまいそうに見える。

「先生、ごめん!」
千歳は両手でモップを振り上げた。
そのまま先生の頭部めがけて振り下ろす。