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それから5人はまたダラダラと時間を過ごしていた。
外にいるゾンビたちは相変わらず騒がしくて体数が増えているように感じられる。

さっきの動画配信者のことを調べてみたけれど、ここから一番近い高校に通っている生徒だということがわかった。
この街に暮らしているという部分に嘘はないようだ。

けれどあれ以降動画配信はされていないし、SNSの投稿もされていない。
有力な情報だと思ったけれど、信ぴょう性もないままじゃなにもできないことと同じだった。

「千歳、両親と連絡は取ったの?」
教室の壁を背もたれにして座っていた千歳に若葉が声をかけてきた。

「一応メールは送ってあるんだけどね……」
そこまで言って言葉を切った。
返事はまだ来ない。

返事できるような状況ではないか、それとも、もう。
最悪の想像が頭をかすめて、すぐにかき消した。