なんとか平常心を装いながら、彼女を見ると、さっきこっそりデスクに差し入れておいたブラックコーヒーがカバンから顔をのぞかせている。
…このチョイスはミスだったのか!
「…コーヒー苦手なのか?」
「はい。苦くて……ってこれもしかして瀧課長が!?」
ただでさえ大きい瞳が、さらに開いてゆらゆら俺の目を見る。
くっ、可愛すぎっ
どうやら、誰から差し入れされたものかわからなかったらしい。
「眠たそうにしてたから、苦手とは知らずごめん」
ずっと、パソコンを見てあくびしてたから。
でもよく考えたら、彼女が甘い物以外飲んでいるところなんて見たことなかった。
俺のリサーチ不足だ…
「こちらこそすみません!!瀧課長に差し入れてもらったとは思わずっ。今すぐ飲みます!」
慌ててカバンからコーヒーを取り出す。