「あのっ、嫌なら…無理にとは言わない。上司と2人とか気まずいだろうし。」



なんだかずっとオドオドしてる。


ちらっと時計を見ると、終電まであと5分。



このオフィスは21階、駅まで徒歩5分。



もう間に合わない。



「じゃあお言葉に甘えて、送っていただいていいですか?」



せっかくご厚意で言ってくれてるし、あまり話したことのない上司と話すいい機会だよね!




「え、」



あまりにも目をキラキラさせて、反応するものだから少し笑ってしまった。



「終電間に合いそうにないので、お願いしますっ。」


ぺこっと浅めのお辞儀をすると、これまでに見たことのない瀧課長の笑顔が返ってきた。




…瀧課長、スーツ、笑顔は破壊力すごいよ!