時刻はすでに22時。



終電まであと一時間半。




「ん〜〜」



パソコンを見ながら、項垂れる。


ブルーライト浴びすぎて、目がバキバキ…


なぜこんな時間まで残業しているのかというと、明日は初めて私が主体となり考案したキャンペーンを会議に通す日。



3年目でやっと任せてもらえたことだから、完璧にやりたい。





「ん?」




トイレに行ってデスクに戻ると、コーヒーの缶が置かれていた。



…誰か、買ってくれたのかな?



薄暗いオフィスを見渡すといるのは瀧課長のみ。


トイレ行く前に5人ほどいた同僚はもう帰ったみたい。



おそらくその中の5人が帰る前に誰かがコーヒーを置いて行ってくれたんだと思う。



優しさが染みる。



瀧課長は差し入れとか、そんなことするキャラじゃないし。


…でも、本当に申し訳ないけど、コーヒー苦手なんだよね…そう思いながらこそっりカバンに入れた。