なんの霞もない、透明度純度共に100%の笑顔。



そんな笑顔が俺にだけ向けられてる。



俺のために作ってくれたクッキーなのに、みんなに配られて食べられるのか。


…なんか嫌。



「その分もくれないか?」


他の人に食べられるくらいなら、俺が食べたい。



それくらい嬉しい。



「もしかして瀧課長って……」


え、針間さんちょっと混乱してない?



上司にそんなこと言われるのはさすがに引いた?



「瀧課長ってめっちゃコーヒー好きなんですね!」





「……あ、うん。コーヒー大好き。」




よかった。



本当はコーヒー嫌いだけど。



嬉しそうにタッパーに入ったクッキーを渡してくる。




彼女が作ったものなら、なんだろうが美味しいに決まってる。



なにがなんでも俺が全部食べる。