「まあ、下の名前も呼んであげるわ。……あと何年かしたらね」


「それはそれは。では、苗字が同じになるまでが期限ということでいかがでしょう」


「そうね、それぐらい先ならいける気がするわ……って、ちょっと、あんたさっきからどこ触ってるのよ。せっかく着たのにまた脱がせようとしないで!」


「まい様がつまらないことをお尋ねになったせいで、だいぶ満たされつつあった欲が振り出しに戻ってしまいました。仕切り直しです」


「この変態執事っ!」


「おや、その罵倒も久々ですね」




私の抵抗なんてどこ吹く風と、鷹司は愛おしそうに私の頬へ唇を寄せる。


そして彼に与えられる甘さに簡単に流されてしまう私も私だ。

もう何度目かわからない口づけに、またしても思考を奪われてしまう。




「……そういえば、私があげたピアス、まだ付けられないの?」




少し赤くなった、ファーストピアスの付いた耳が視界に入って、ぼそりと尋ねる。