全く手を出されないとなるとそれはそれで寂しい、なんてほんの少しでも思って損した。

そう言う前に、また唇を落とされる。




「愛しております、まい様」




渇望するような、熱を帯びた彼の声。

色々な感情でいっぱいいっぱいになって、涙がにじんでくる。幸せな涙だ。




「私、も……よ……」


「俺のものだ、という印を付けてもよろしいですか? 前は勝手に付けて怒られてしまったので、どうかご許可を」


「っ……、服で隠れるところになら……」


「承知いたしました」




そんな丁寧な言葉と同時に、ブラウスのボタンが一つ、二つとゆっくり外される。

そして鷹司は、鎖骨や肩、胸元へ順々に唇を寄せる。そのたび、覚えのある痛みがぴりりと走る。


恥ずかしいという気持ちはもうどこかへいってしまった。痛みと一緒に幸福感だけが広がっていく。




「名前……呼びたい……」




熱に浮かされた頭で、私は無意識に呟いた。