それぞれに何かしら返信しておかなければ……と思い、ベッドに仰向けになったまま考えていると、廊下の向こうからゆっくりこちらへ近づいてくる足音がかすかに聞こえてきた。


鷹司が様子を見に来たんだ。


そう思って、私は慌ててスマートフォンを机の定位置に戻して布団をかぶった。

寝ながらスマホを見ているところを見つかったら、病人なのだからスマホなんて見ないで寝ていないとまた悪化する……と小言を言われるに決まっている。


まだ体調が完璧ではないこともあってか、布団をかぶって目を閉じるとすぐに睡魔が襲ってきた。昨日から十分すぎるぐらい寝たはずなのに。

起きているようで半分寝ているような、そんなふわふわとした意識の中、部屋の扉が開く音が聞こえた。

その気配で、やはり鷹司が入ってきたようだとわかる。


彼は静かにカーテンを閉めて、温度計を確認しに行ってから私の方に近づいてきた。