意外なことに気にしていたらしい。

良いじゃない。奏多くんは私に靡かなかったぐらいだから、そういう身体の方が好みなのよ。たぶん。知らないけど。




「もしお嬢様が、ドレス貸すのではなく譲るとおっしゃるのなら、香田様のサイズに直してしまうことは可能ですよ」




鷹司はその様子を見かねたのか、声をひそめてそんな提案をした。





「ふうん。別にいいわよ。あげる」


「えええ、さすがに悪いって!」


「これはもう着ないもの。どうせ捨てるのだから引き取ってもらった方が助かるわ」




結局話がそうまとまり、渡したのが、レモン色のふわりとしたドレスだった。肩はざっくりと開いているけれど、可愛らしい色のおかげで大人びすぎていないデザイン。



──そしてそのドレスは鷹司の手により葉澄にぴったりのサイズに直され、今日は無事一緒にパーティーへ参加できることになったわけだ。




「食べるのはいいけど、せっかく私があげたドレスなんだから、あんまり汚さないでよね」


「うん、気を付ける。……それにしても本当に可愛いドレスだね。今さらだけど、きっしーさんはこれ、本当にもう着なかったの?」