あれは、鷹司と部屋で二人っきりでいたせいで誤解された後(たぶんその誤解はまだとけてない)のこと。

着替えるために部屋へ戻った私についてきた葉澄は、ワンピース姿の私を見て歓声を上げた。




「わっ、その服すっごく可愛い!」


「そうかしら」




褒められて悪い気はしなかったけれど、着ているのは単なる普段着のワンピースだった。

だから、せっかくならもっと彼女が見たことないであろう高級なドレスを自慢したくなった。


そこで鷹司に、パーティーなんかのきちんとした場で着るドレスをいくつか持ってこさせてみた。




「かっわいい……」




当然葉澄は大喜びで、その様子を見た私は思わず言った。




「来月出席しなきゃならないパーティーがあるのだけど、貴女にもこの中のドレスどれか貸すから一緒に出席する?」


「え……パーティー? む、無理だよそんなの! 私場違いすぎるよね!? ていうか、そういうのって招待されなきゃ出られないんじゃないの?」


「それは場合によるわ。今回のは友人を同伴させても大丈夫らしいから」