「『友達』と書いて『取り巻き』と読むご友人は全員別になり、クラスメイトたちとは新たな関係を築いていける。その上、お嬢様がバレンタインデーに友チョコを渡すほど仲良くなりたいと願っていた香田葉澄様と同じクラス」


「なっ……わ、私が葉澄に友チョコをあげたのは、あくまで奏多くんにチョコを受け取ってもらう作戦の一部で……!」


「そして担任が数学教師のため、文系だからと苦手な数学を疎かにせず済みます。ああ、あと一年生に引き続き4組なので、提出物に名前を書くとき前のクラスを書いてしまうというミスがなくなりますね」




鷹司は私の訴えを無視して、指折り新しいクラスの利点を挙げていく。利点と呼ぶには何か微妙だけれど。

そして満足げに微笑んだ。





「ほら、『一番良い結果』ではございませんか。旦那様から校長に圧力をかけてもらったかいがありました」


「……え?」


「あ……いえ、わたくしは何も言っておりません」