なるほど。それで駄菓子ということになったのか。最初もらったときは遠回しな嫌がらせかと思った。




「柳沢くんには止められたけど、駄菓子なら食べたことないんじゃないかなって思って」


「ええ、確かにあんなもの食べたことなかったわ」


「……あれ、もしかしてあんまり気に入らなかった?」


「気に入るわけないでしょう。……癖になったらどう責任取ってくれるのよ」




要するに、初めて食べた安くてジャンクな味のお菓子は、思ったよりも私の口に合っていた。

夕食後、ココアとミントの味がする煙草の形をした砂糖菓子を食べたいとぼやいたら、デザートを用意してくれたシェフにすごく悲しそうな顔をされたのだっけ。




「そっか! 嫌いじゃなかったなら良かった! じゃあ、またおすすめのお菓子見つけたら持ってくるね!」


「別にいいわよ。……そんなことより貴女、少しは周りの視線が気になったりしないの?」