「おはようエイミー! ちょっと聞いたわよ。昨日の放課後、あんたまた殿下と痴話喧嘩をしていたんですって?」
朝、正門の前でカニング侯爵家の馬車を降りたエイミーは、後ろから走って来た伯爵令嬢の友人シンシア・モリーンを振り返って、ポッと頬を染めた。
「痴話喧嘩……素敵な響き……」
「あーもうホントあんたの頭ん中って花畑でも詰まっているのかしら」
痴話喧嘩という単語に反応してうっとりしはじめたエイミーにシンシアはすっかりあきれ顔だ。
フリージア学園に入学したあとでできたこの友人がどうしてそんな顔をするのかがわからず、エイミーは背の高いシンシアを見上げて首をひねる。
小柄で、ライオネルにたまに「モモンガ」と呼ばれるエイミーと違って、シンシアはすらりと背の高い、一見知的な美人である。
まっすぐな栗色の髪に焦げ茶色の瞳。長い手足はカモシカのように細い。そのくせ出るところは出ている羨ましい体型だ。
朝、正門の前でカニング侯爵家の馬車を降りたエイミーは、後ろから走って来た伯爵令嬢の友人シンシア・モリーンを振り返って、ポッと頬を染めた。
「痴話喧嘩……素敵な響き……」
「あーもうホントあんたの頭ん中って花畑でも詰まっているのかしら」
痴話喧嘩という単語に反応してうっとりしはじめたエイミーにシンシアはすっかりあきれ顔だ。
フリージア学園に入学したあとでできたこの友人がどうしてそんな顔をするのかがわからず、エイミーは背の高いシンシアを見上げて首をひねる。
小柄で、ライオネルにたまに「モモンガ」と呼ばれるエイミーと違って、シンシアはすらりと背の高い、一見知的な美人である。
まっすぐな栗色の髪に焦げ茶色の瞳。長い手足はカモシカのように細い。そのくせ出るところは出ている羨ましい体型だ。