ガシャーンと音を立てて、目の前で植木鉢が割れた。
例のごとく空から降って来た植木鉢と、植木鉢が割れたせいで散乱した土と紫色の花を咲かせているパンジーを見て、エイミーはしみじみと言った。
「この学園に植木鉢があったのねえ」
「突っ込むのはそこだけなの⁉」
エイミーと一緒に中庭を通って専門棟へ移動していたシンシアが思わずと言った様子で叫ぶ。
「え? でもほら、植木鉢って見ないじゃない」
「校舎の中にないだけで、園芸部の温室には山ほどある――じゃなくて! あんなのが頭に直撃したら、打ち所が悪かったら死んじゃうわよ⁉」
「ああ、シンシアは陸上部と掛け持ちで園芸部にも参加していたわね」
「そうだけど今はどうでもいいわそんなこと!」
ライオネルやエイミーは部活動をしていないが、フリージア学園には二十を超える部活がある。
活動自体は貴族の子女のお遊び感が強いので積極性はないが、部活動をしている生徒は学園に通っている生徒の八割にも及ぶほど多い。特に春の終わりから夏の終わりまでのシーズンオフはパーティーもほとんどなくて暇だから、活動人数が増えるらしい。
例のごとく空から降って来た植木鉢と、植木鉢が割れたせいで散乱した土と紫色の花を咲かせているパンジーを見て、エイミーはしみじみと言った。
「この学園に植木鉢があったのねえ」
「突っ込むのはそこだけなの⁉」
エイミーと一緒に中庭を通って専門棟へ移動していたシンシアが思わずと言った様子で叫ぶ。
「え? でもほら、植木鉢って見ないじゃない」
「校舎の中にないだけで、園芸部の温室には山ほどある――じゃなくて! あんなのが頭に直撃したら、打ち所が悪かったら死んじゃうわよ⁉」
「ああ、シンシアは陸上部と掛け持ちで園芸部にも参加していたわね」
「そうだけど今はどうでもいいわそんなこと!」
ライオネルやエイミーは部活動をしていないが、フリージア学園には二十を超える部活がある。
活動自体は貴族の子女のお遊び感が強いので積極性はないが、部活動をしている生徒は学園に通っている生徒の八割にも及ぶほど多い。特に春の終わりから夏の終わりまでのシーズンオフはパーティーもほとんどなくて暇だから、活動人数が増えるらしい。