「殿下~~~~~~ぶっ!」

 一限目の魔術の基礎のために校庭にやってきたエイミーは、すでにそこにいたライオネルを見つけるなり駆けだした。

 しかし、両手を大きく広げて抱き着こうとするエイミーを、あと一歩のところでライオネルの長い腕が押し留める。

 ライオネルの手のひらを顔に張り付けたエイミーは、それでも両腕をパタパタさせて彼に訴えた。