「捕まえたぞ!」

 ダンッと顔のすぐ横に手をつかれて、エイミーは反射的にびくりと肩を震わせた。

 屋上に続く階段の踊り場。

 息を切らせたライオネルに壁に追い詰められて、エイミーは罠にかかった小動物になった気分だった。

 昼休みの鐘の音とともに教室を飛び出せばライオネルに捕まらないと学習したエイミーは、三日続けて同じことをした。

 けれども、エイミーよりもライオネルの方が何倍も上手だったらしい。
 昨日一日で、エイミーが昼に教室を飛び出してどこに向かっているのかを突き止めたライオネルは、授業が終わるとすぐにエイミーを追いかけた。

 そして、屋上に続く階段の途中で追いつかれたというわけだ。