ライオネルが温室を出て行った後で、エイミーは溢れそうな涙をごしごしと袖口でぬぐうと、大きく息を吸い込んだ。
(これでよかったのよね……)
ライオネルとは、今日が最後にしようとエイミーは決めた。
だがそれは、もちろんライオネルが嫌いになったからではない。
本当ならずっとずっとライオネルのそばにいたい。このまま婚約者で居続けて、予定通り結婚して、彼とずっと一緒にいたい。
でも――
(殿下はわたしが嫌いで、そして、シンシアが言う通りわたしのせいで殿下が危ない目にあったりしたら大変だもの……)
嫌いな女と結婚させられるだけではなく、さらに危険な目に遭ったりなんかしたら、ライオネルが可哀想すぎる。
ライオネルが好きだというエイミーの感情を押し付けて、エイミーに縛り付けるのは――自分の欲を優先して彼を縛り付けるのは、ダメだ。
いつか振り向いてくれるかもしれないなんて、確証のない身勝手な願望は、いい加減捨てなければならない。
(これでよかったのよね……)
ライオネルとは、今日が最後にしようとエイミーは決めた。
だがそれは、もちろんライオネルが嫌いになったからではない。
本当ならずっとずっとライオネルのそばにいたい。このまま婚約者で居続けて、予定通り結婚して、彼とずっと一緒にいたい。
でも――
(殿下はわたしが嫌いで、そして、シンシアが言う通りわたしのせいで殿下が危ない目にあったりしたら大変だもの……)
嫌いな女と結婚させられるだけではなく、さらに危険な目に遭ったりなんかしたら、ライオネルが可哀想すぎる。
ライオネルが好きだというエイミーの感情を押し付けて、エイミーに縛り付けるのは――自分の欲を優先して彼を縛り付けるのは、ダメだ。
いつか振り向いてくれるかもしれないなんて、確証のない身勝手な願望は、いい加減捨てなければならない。