「仁愛ちゃんっ!」


心配そうに仁愛を見つめる瑚依。


「豹、いったい何があったの?」


切羽詰まった様子で、美琴が尋ねる。


「仁愛のヒートが急に来て、意識を失ったんだ。でも、今は落ち着いてる」

「そう、無事でよかったわ……」


美琴がホッと息を吐くと、瑚依と大牙も安堵の表情を浮かべた。


「大牙、医師の手配を頼む」

「わかった、すぐに連絡する」


大牙はスマホで医師を呼んだ。


「今日は全校集会を中止にする。美琴、瑚依、そのことを校内放送でアナウンスしてくれるか?」

「わかった。それが終わり次第、瑚依と保健室に行くわ」

「それまで仁愛ちゃんのことをお願いね。豹くん、大牙くん」

「ああ、仁愛のことは任せておけ」

「美琴ちゃんと瑚依ちゃんもよろしくね」


美琴と瑚依とはここで一旦別れて、俺は大牙といっしよに保健室へ向かった。