「おぉーっ! 思った以上に超絶美人じゃんっ!」

「それなのに、なんでそんな地味な格好しているの? もったいないよ!」


彼らの力は予想以上に強くて、簡単には振りほどけない。


「イヤッ! 離してっ!」

「へぇー、抵抗するんだぁ」

「そういうの、逆に興奮してくるんですけどっ!」


そう言って高笑いするふたりの男子生徒。

周囲を見渡すと、もう人の気配は消えていた。


「あぁ……この甘い匂い、ホントにたまんない……」

「ねぇ、これから学校サボって、俺たちといいことしようよ」


ゴクリと(のど)を鳴らしながら、彼らはじわりと私に近づいてくる。


イヤ……気持ち悪い……。

でも、この学園に私を助けてくれる人なんて、どこにも――。


もうダメだと諦めかけていた――そのとき。

突然、からだがふわりと包まれて、男子生徒の手が私から離れた。

この甘ったるい匂い……まさかっ!