「仁愛、お前の第二の性はβ(ベータ)じゃねぇよ」

「えっ?」


私の第二の性がβ(ベータ)じゃない……?

じゃあ、私の第二の性は?


「第二の性の文献を見たのなら知ってるはずだ。第二の性には、α(アルファ)β(ベータ)以外に“もうひとつ”あることを――」

「……っ!」


嘘でしょ……?

それって、まさか――。


「――仁愛、お前の第二の性は“Ω(オメガ)”だ」


私が絶滅危惧種の“Ω(オメガ)”……?


「おそらく、仁愛の両親は“Ω(オメガ)”の性を持っているんだろう。その場合、子どもがΩ(オメガ)になる確率は、0.1%だと言われている」


嘘……っ。

そんなことって……。


「お前はド庶民で一般の学校に通っていたにも関わらず、うちの学園の入試を満点で合格した。そんな知能を持っているのは、α(アルファ)Ω(オメガ)しかいない」


何がなんだか混乱している中、野獣様は平然と話を続ける。