「――“第二の性”は、実際に存在している」


……ということは、図書館であった第二の性に関する文献や書物に書かれていたことは事実だったんだ。


「じゃあ……やっぱりあんたはα(アルファ)なの?」

「あぁ、そうだ。ここにいる大牙、美琴、瑚依も俺と同じ第二の性だ」


この3人も野獣様と同じ――α(アルファ)


私はゴクリと息を吞む。


「じゃあ、ほかにもこの学園にはα(アルファ)がいるの?」

「いや、この学園にいるα(アルファ)は、俺たち4人だけだ。ただし、α(アルファ)クラスにいるβ(ベータ)は全員、α(アルファ)に相当する能力を持っている」


野獣様が言うには、α(アルファ)β(ベータ)の間に生まれた場合、第二の性はα(あるふぁ)と同じ特性を持ったβ(ベータ)になるという。

その理由は、β(ベータ)の性がα(アルファ)の性よりも優勢(ゆうせい)だから。

出生確率は、α(アルファ)よりも多く、β(ベータ)よりも少ないらしい。