「あの……“第二の性”って、本当に存在するんですか?」
私の質問に、4人が顔を見合わせる。
私、何か変なことでも言ってしまったのだろうか。
「そっか。仁愛はもともと一般の学校からここに来たから、第二の性のことは知らないのね」
「この学園では中等部で必須教科になってたけど、一般の学校だとそもそも学ぶ必要ないから」
狛犬さんと兎野さんが言っていることって……。
つまりは、中等部に所属していた生徒なら第二の性を知っているということになる。
「でも、一般の学校で教わらないなら、どうして仁愛ちゃんは第二の性のことを知ってるの?」
「偶然、この学園の図書館で第二の性について書かれている文献と書物を見つけてすでに読んだので、基本的な知識は頭に入っています」
「なるほど、そういうことね」
私が大牙くんの質問に答えると、大牙くんは腑に落ちたような反応をした。
「それなら話が早いな――」
野獣様が淡々と口を開く。