「紅蘭ちゃんが限界そうだからやめるけど。

紅蘭ちゃんが悪いんだよ?」



不機嫌そうに私の乱れた服を直しながら言う。


なにを怒ってるの。

も、もしかして布団には座られたくなかった?


大事な場所だった?
お母さんからの遺品とか?
わ、私としたことがっ………。


人様の家に来てそういう配慮を忘れるなんてっ。


か、彼女として不誠実っ!



「す、すみませんでした!!
大事な場所だとは知らずに何も考えずに座ってしまって!
ごめんなさい。」


なんか最近大城くんに対して気が緩みすぎだ。


いくら恋人になったとしてもそういう配慮は忘れてはいけない。


「…………。」


慌てて頭を下げると、無表情でこっちをみてくる。


お、怒ってらっしゃるのかも?
確かに自分が大切にしてる場所になんて怒っても無理ない。



「こ、今度お詫びの品を。」



誠心誠意、謝罪の品をお渡ししよう。



申し訳ない気持ちでいっぱいになる。


「………紅蘭ちゃん、ぜんぜんわかってないね。真面目すぎるのも鈍感すぎるにも程がある。」


ハァー。と呆れたようにため息をついている。


わかってない、とは?


「まず、なんか勘違いしているようだけど俺は別に布団が大切な場所とかじゃない。」


え……?

大事な場所じゃない?
ならなぜ怒っているの?



わからなくて大城くんを見ると2度目のため息を吐いていた。



「だから!

男の部屋で女の子がベットに座ってたらそういう雰囲気を誘ってるって思うんだって。
紅蘭ちゃんってしっかりしてるし、優しいし、真面目だし、いい子だけどなんか抜けてるところあるよね?」


なっ、なぁーーー!!!



そ、そういうこと。

全然気づかなかった。


「す、すみません。」


考えたら顔がまたまた顔が熱くなってきて俯く。


「でも好きだから触れたいけどね?

紅蘭ちゃん見るたびに理性なくなりそうだし。」


っ!!

そう言いながらまたチュッと触れるだけのキスをした。


ドクンっと心臓が大きく鳴る。

す、すごく恥ずかしかったけど


……………いやじゃなかったから。


それに、き、キスとかしてたらそのうち慣れてくるだろうし。


「だから、嫉妬とか怒らせたり我慢できなくなったらその時は


……………覚悟してなよ?」




耳で甘く囁かれるとボンっと口から火が出そうなほど全身が熱くなる。




「好きだよ、紅蘭ちゃん。」



…………前言撤回。
 


甘すぎ攻撃に耐え切れるわけありません。