奴隷は神様を見る目で私を見ながら言った。

「姫さまは私をひどく扱うことで、王妃さまたちに取られないようにしてくださっているんでしょう? だから、私を足台になさっている」
「馬鹿をおっしゃい、王妃さまは心優しいお方よ。私から何も奪ったりするものか」
「私の髪も剃ったのも、ボロボロの衣服を着せられているのも、王妃さまたちに取られないためでしょう?」
「馬鹿をおっしゃい、誰もあなたみたいな醜い生き物なんか、欲しがるものか。それにあなたなんか奪われたって私は結構。これ以上、要らぬ口を利くなら、ステーキにしてやるから。それより、きちんと麻袋をかぶって、醜い顔を隠しなさい。あなたの顔は、お継母さまや弟妹たちのお目汚しになるんだからね」
「はい、私の姫さま」

 奴隷が嬉しそうに言うものだから、私は、奴隷の尻を平手でペチンとやってやった。勢いが足らず、まるで撫でたようになった。
 すると、奴隷は顔を真っ赤にして、さっと麻袋をかぶった。

「あなたには、蹴るよりも、こっちのほうが効くのね」

 私は、また、奴隷の尻を撫でた。ペタペタと撫でた。
 奴隷は消え入りそうな声を出した。

「姫さま、私の姫さま、お願いです、それだけはおやめください」 

 やめてくださいだなんて、余計に煽るだけなのに。私は王妃が来るまで熱心に、奴隷のお尻を撫で続けてやった。