オネストとオネストの護衛は、村長の家に案内された。
フィアーバの母親は、混乱したまま村長の家に入る。
私は村長の奥さんに腕を引っ張られて、村長の家の中に入れられた。


「客人にお茶を出しておいで。堂々と話を聞いてきなさい」

「わかりました」


奥さんの気遣いに感謝しながら、私は話し合いが行われている部屋に入った。
テーブルに、奥さんが用意した紅茶を置く。

私の存在なんて気付いていないみたいなようすで、オネストはずっと喋っていた。

オネストは、お姫様らしい。
王族だ。
随分若いと思っていたが、末っ子らしい。

彼女の親……基、王様はオネストとフィアーバの結婚を反対しているようだ。
当たり前だ。
王族と庶民が結婚するのは、なんとしてでも避けたいだろう。
オネストが身分違いの恋に憧れるのも解かるけれど、現実的に難しい。


「お父様は、フィアーバ様が魔王を倒せたら考えると言ってましたわ」


王様は、フィアーバが魔王を倒せないと思っているな。

腹が立つ。