「俺は、テイルと結婚します」


フィアーバが、笑顔でオネスト様にトドメを刺した。
オネスト様は、とうとうその場に泣き崩れてしまう。
フィアーバの背後でオネスト様の姿を見ていたテイルは、無表情だった。


「オネスト!何をしてるの!」

「うわぁああん!おかあさまぁ!」


会場から出て来た女王が、オネスト様を抱きしめる。


「わたくし、ふぃあーばさまと、けっこんしたいのぉ!ううっ、すきでもないひとと……けっこん、したくないのぉ!!」


王族だから仕方ないことだ。
でも、少しだけ可哀想だと思ってしまう。

フィアーバとテイルは、オネストに対して良い印象を持っていないから、なんとも思ってないっぽいけどな。
フィアーバはテイルの前だとそれなりにおとなしいから、今はテイルがいてくれてよかった。
テイルがいなかったら、コイツはオネスト様をさらに傷付ける発言をしただろう。
傷付けると言っても、「もう俺たちに関わらないで下さい」とかそんな感じの内容だと思うが……
コイツの伝達力で発せられた言葉を、精神が不安定になっている今のオネスト様が聞いたら、大事故が起きてしまう。