誰だろう?


「あの」


女の子が、口を開いた。
顔も綺麗なのに、声も綺麗だ。


「フィアーバ様のご家族はいらっしゃいますか?」


イヤな予感がした。

もしかして、フィアーバが死んだんじゃ……

村人たちも、「まさか……」とか「あのフィアーバが?」とか、いろいろ言っている。
フィアーバの母親が、真っ青な顔で、女の子に近付いた。


「私が、フィアーバの母です。フィアーバに……私の息子に、何かあったのでしょうか?」

「まぁ、あなたが!」


女の子は、フィアーバの母親を見て、パアッと笑顔になった。


(わたくし)、オネストと申します」


次の瞬間、オネストという女の子は、とんでもない発言をした。


(わたくし)とフィアーバ様の結婚について、お話に来ました」


村人全員、目が点になった。