フィアーバはテイルを守るように、自分の後ろに隠す。


「フィアーバ様、(わたくし)は諦めていませんから!」


オネスト様が、フィアーバに抱き着こうとする。
俺はフィアーバとオネスト様の間に割って入って、阻止する。


「オネスト様、おやめください」

「どきなさいよ!あんたには関係ないでしょう!?」

「いいえ、関係あります」

「はぁ!?」


金切り声を上げるオネスト様。
俺はオネスト様の目を見る。


「王族としての自覚を持ってください。あなたのような王族が治めている国の人間だと、他国に思われたくないのです」

「な、なによ!?(わたくし)は好きでもない人と結婚させられちゃうのよ!?(わたくし)のほうが可哀想でしょう!?」

「好きでもないオネスト様と結婚させられるフィアーバも可哀想ですね」

「っ!」


オネスト様は目を見開き、固まってしまった。
そんなオネスト様の目に、涙がたまっていく。


「わ、わたくし、フィアーバさまがほんとうに、だいすきなの……」


だからって、イヤがっている人に自分の好意を押し付けるのはやめろよ。


「フィアーバさまみたいな、かっこいいひととけっこんしたいの……」


本音は隠せよ。