話しながら、たまに襲ってくる魔族を倒していたが、一体、なかなか倒せない魔族がいた。


「あいつだけ、体力が多いですね」

「回復技がやっかいだな」


ムンターさんは少しイラついていた。

体力を削れたと思ったら、すぐに回復技を使われる。
そうさせないために、攻撃の手数を増やしたら、俺の場合は攻撃力が落ちてしまう。
ムンナーさんに、攻撃力強化魔法をかけてもらおうか……
いや、魔力は温存していてもらおう。
魔王との戦いも残っている。

俺はハンマーを握りなおす。

攻撃力重視で攻撃するしかない。
隙が多くなるけれど。

魔物の頭を狙って、ハンマーを振りかざす。


__ドゴォォン__



「えっ?」


ハンマーを振り下ろそうとした瞬間、天井近くの壁の一部が壊された。
壊された壁から、村にいるはずのテイルが飛び出す。

なんでテイルがこんなところに!?

混乱する俺を置き去りにして、テイルはメイスで魔族の頭を攻撃した。
衝撃が強かったのか、魔族の頭が身体から離れ、床に転がった。


「テイル!」


攻撃した体勢のまま床に落ちそうになったテイルを、慌てて受け止める。
手放したハンマーは、床に大きなヒビを作っていた。