フィアーバは勇者らしい。
世界を救うべき、勇者になるにふさわしい人物だって、王様が言ってたらしい。
詳しくは知らない。
田舎の小さな村に住んでいる私は、王都に行ったことなんて一度もない。
でも、フィアーバは何度か、家族の仕事の手伝いで王都に行っていた。
多分、その時に王様と会ったのだろう。
「魔王討伐……?」
「そう。俺、魔王を倒さなきゃいけないんだ」
目の前に立っているフィアーバは、なんてことないように言っている。
彼の銀色の髪が、夕日に照らされてキラキラしている。
今の私には、彼の髪を綺麗だと感じる余裕はなかった。
え?
魔王?
魔王って、魔族のボスだよ?
なんで?
なんでそんな危険なヤツを、フィアーバが倒さなきゃいけないの?
「世界を救わなきゃいけないんだってさ」
フィアーバは「なんでよりによって、俺なんだろうな」と、小さくこぼした。
世界を救うべき、勇者になるにふさわしい人物だって、王様が言ってたらしい。
詳しくは知らない。
田舎の小さな村に住んでいる私は、王都に行ったことなんて一度もない。
でも、フィアーバは何度か、家族の仕事の手伝いで王都に行っていた。
多分、その時に王様と会ったのだろう。
「魔王討伐……?」
「そう。俺、魔王を倒さなきゃいけないんだ」
目の前に立っているフィアーバは、なんてことないように言っている。
彼の銀色の髪が、夕日に照らされてキラキラしている。
今の私には、彼の髪を綺麗だと感じる余裕はなかった。
え?
魔王?
魔王って、魔族のボスだよ?
なんで?
なんでそんな危険なヤツを、フィアーバが倒さなきゃいけないの?
「世界を救わなきゃいけないんだってさ」
フィアーバは「なんでよりによって、俺なんだろうな」と、小さくこぼした。