「撫でませんよ。何ですか。」


振り向くのも億劫なので、坊ちゃんの頭を撫でる手を止めず返事をしました。


「リセどうしたの ? シモンにぃだよ ?」

不思議そうに私を見上げて坊ちゃんは言いました。


紹介が遅れましたがそれを見て、ははっと笑う男は、シモン・フォーサイス。


シモン様は面倒見が良くて、坊ちゃんとも兄弟のように仲が良いのです。


ですが…、

「坊ちゃん、シモン様のような遊び人の相手はしてはいけませんよ。坊ちゃんまであの方のような道に進まれたら私は絶望してしまいますので。」