「ねね!リセみてみて〜!僕が描いたの!どぉ?」

にこにこ笑顔でこちらを振り返るのはルイス坊ちゃん。


私の仕えるカーライル家のご子息でいらっしゃいます。


「ふふっ、そうですね。とてもお上手ですよ。」


坊ちゃんが見せてくださる絵を覗き込むと2人の人が描かれていました。

どうやら私と坊ちゃんが手を繋いでお散歩をしている時の絵を描いてくださったようです。


「でしょ〜 ? リセ、もっと褒めてくれてもいいんだよっ ? 」

坊ちゃんはきらきらと瞳に光を浮かべて仰いました。


「えぇ、もちろんです。」

私はそうお答えしながら、坊ちゃんの頭を撫でました。


「えへへ。」

坊ちゃんは嬉しそうに目を細められています。


と、そこに。


「ねぇ、リセちゃーん? 俺も頭撫でてほしいなーなんて思っちゃったりするんだけどどう?」


煩わしい声が後ろから聞こえました。