早速学校から帰宅した由愛にチケットの話をする。

「へ~、一応私受験生で、その日も塾あるけど休んでいいなら行くよ」

あちゃ~、塾のことすっかり飛んでたよ。

「いい、いい。塾は優先順位上だから」

「なんなのよ!」

「ごめん。塾のことコロッと忘れてた。受験終わったらまた誘うわ」

「なにそれぇ、ほんと腹が立つ」

由愛はピンクの頬をぷくっと膨らまし、プイと顔を背けると自分の部屋の扉を勢いよくバタン!と閉めた。

反抗期娘には、言葉を選ばなくちゃいけない。針の先ほどの刺激がその百倍となって刺さるらしい。

いずれにしても、これは、私の失態だ。まず予定を確認すべきだった。


こういう段取りの失敗も最近はよくあって、思い付きで口走っちゃうのよね。反省反省。

こんな風にできなくなっていくことが一つずつ増えていって老いていくんだろうか。

って、まだ人生の半分とちょい過ぎただけでしょう?

老いることばっかり考えてたら、本当にあっという間におばあちゃんになっちゃいそうだ。

いかんいかん、また老いネガティブモードに入っている。

そんなことより、来週末の劇団はやぶさのチケットを無駄にしないよう、誰といくかだ。