つまり、新作!




「描けたんだ!」


「まぁな」


「え~、見せて見せて!」




 (なま)でよく見たい!

 さっきの写真じゃイマイチいつもの迫力が伝わってこないし。


 部屋の中央に置かれていたイーゼルの前に回り込むと、ハッと息を飲むほど力強い花火と、それを背にした女の子が描かれていた。

 脚立の上に座っていて、胸の前にはカメラを持っている。


 これ…まさか、昨日の私?




「自分で撮ってみて気づいたけど。絵の魅力を潰さずに撮るのって、思ってたよりずっと難しいんだな」


「え…」


歌月理(うつり)の写真はさ、実物を前にした時と同じなんだ。それがどんなに凄いことか、わかったから。…これも、撮って」


「…!う、うん…っ」




 やばい、私、泣きそう。

 すごくうれしいのに。