「大金は無理でもお小遣いならなんとかなりそうだね？」
由佳の視線が進へ向かった。
進はその意図を汲み取ることができずに首を傾げている。


「ほら、この前作った写真があるじゃん」
そう言われて岩上の合成写真の存在を思い出した。
あれのデータならまだ残っている。


「あれを使えばバカな男はこぞって近づいてくるんじゃない？」
由佳の表情がいやらしく歪む。
確かに、岩上が全裸で座っている写真だから、男どもはその個人情報を欲してもおかしくはない。


軽い女だと思って近づいてくるヤツは多そうだ。
「じゃあさっそくやってみるか」
久貴も乗り気になっているようなので、進は自分のスマホを操作して合成写真を呼び出した。


少しでも制度のいい合成写真を作るために制作に使ったのはパソコンだったけれど、そのデータは自分のスマホにも保管してあった。
なんとなく、学校の掲示板に貼り付けるだけじゃ終わらないだろうなという予感があったのだ。