「これから1年間担任になるんだもん。好き勝手されちゃあつまんないしさぁ」
「それ、言えてる」
抽象的なことばかり言って、由佳にどうするか決めてもらうつもりなんだろう。


そうすればまずくなったときにでも『由佳がいい出した』と逃げることができるからだ、
ふたりは由佳と一緒に騒いでいるわりに、由佳の後ろに隠れたがる。
いわゆる虎の威を借る狐状態になることが多い。


進は普段からそれをあまりよく感じていなかった。
自分たちだって楽しんでいるのに、すべてを由佳に押し付けるのはただの卑怯者のやることだ。
「それなら、いい案がある」


だから、進が一歩前に出たのだ。
「なになに?」
和美の目が好奇心に満ちて輝く。


「これ」
進はスマホを取り出して最近ニュースになっている芸能人の熱愛記事を表示させた。