進、起きて!!
心の中で声をかけるけれど、頬を切り裂かれた進はうつむいたまま顔をあげない。
気絶しているのかもしれない。


すぐに治療が必要だし、あんな写真を生配信されたら社会的にも死んでしまう!
キツネ面だって、それを承知でやっているはずだ。
「さぁて、今度はご視聴のみなさまに見てもらいます!」


やめて!!
由佳の心の悲鳴は届かない。
誰にも。どこにも。


合成写真はカメラの前に移動され、コメント覧が一気に湧き上がる。
『まじかこいつ』『性癖をどうこう言うつもりはないけど、写真に撮るとかキモイ』『うわぁ! これは社会的に死んだな』
次々と寄せられるコメントにキツネ面は時折笑い声を上げる。


『こいつの住所と名前、特定しました』『男に気に入られそうな顔してるもんな。誰かもっと男を紹介してやれよ』『来年の就職進学は終わったな』
進がゆっくりと顔を上げる。


その視線がカメラへ向かった。