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夜の学校は遠目から見るだけでも異様な雰囲気だった。
灰色の校舎は闇に沈み込み、窓からは明かりが少しも見えてこない。
静まり返った空間に4人は思わず足を止めていた。


「夜の学校で初めてきた」
後ろについてきていた和美が体を抱きしめるようにして両腕をさする。
気温は低くないのになぜだか肌寒さを感じるのは、幼い頃から学校の怖い話をよく聞いてきたからだろう。
「今の時間だとトイレの花子さんとか、テケテケとかいるかもしれないね」


「ちょっと、やめてよ由佳」
わざと怖がらせてくる由佳に和美は本当に身震いしている。
そう言っている由佳もここまで来たものの気が進まないのか、さっきから立ち止まっていて一歩も前に進んでいない。


「配信者がいるはずなのに、電気がついてないな」
それに気がついたのは進だった。
校舎内はどこも電気が消えていて、真っ暗な闇が広がっている。


これからあの暗闇の中へ入っていくのだと思うと、さすがに怖い。
「もしかしたら俺たちがここに来たことに気がついて、電気を消したのかもしれねぇな」
久貴がきっとそうに違いないという確信を持って答えた。