そう言ったのは進だ。
ASMRは様々な音を高音質で流すもので、川のせせらぎや動物がなにか食べているときの音などが多い。
これらにはリラックス効果があるとかで、最近特に人気になっていた。


「当てるって、どうやるんだ?」


久貴に聞かれて由佳は更に先を読み進めた。


「コメント欄に書き込むらしいよ。そこで不正解だと強制的に配信を切られるんだって」

「そんなことができるのか?」


進が首を傾げている。


「書いてあるんだから、できるんじゃない?」


由佳は肩をすくめて読み進めていく。


「それで最後まで音のクイズに正解することができれば、10万円!」


由佳は最後にひときわ大きな声でそう伝えた。
参加料などは取らないみたいだし、これは参加してみるしかない。
すでに由佳の目はキラキラと輝き始めている。


「10万円はでかいよな。俺の小遣い、月に5千円だし」


久貴は真剣そのものでみんなの顔を見回した。