「クイズはどうするんだよ」
進にグイッと顔を寄せて笑みを浮かべる久貴。
「直接行けばそこに10万円があるてことだ。わかるか?」


進がポカンと口を開けている間に久貴は部屋を出ていってしまった。
「ちょっと、あれはやばいかもね」
和美が久貴の出ていったドアを見つめて呟く。


10万円を無理やり奪うつもりなんて毛頭なかったが、久貴はその気になってしまっている。
「そうだね。追いかけよう」
由佳は早口にそう言うと、久貴を追いかけて部屋を飛び出したのだった。