配信者が自分たちの回答を口に出した時、緊張で心臓がドクンッと跳ねた。
由佳はまた唾を飲みこんで画面を見つめる。
カメラが移動して配信者の手元を移す。


『正解は……こちら!!』


横からサッと画面内へ入り込んできたのは大きめの教科書だった。
配信者はそれをゆっくりとめくって音を出していく。
ペラペラと、さっき聞いたばかりの音が画面から聞こえてきて、由佳は思わず歓声を上げた。


「やった! 当たってた!」
「すげーな由佳! 本当に教科書だったな!」
「由佳最高!」


和美と久貴が手を叩いて喜ぶ中、進だけは真剣な表情で画面を見つめている。
「どうしたんだよ進。もっと喜べよ」
久貴に肩を叩かれて進は笑うが「今のでかなりの人数が配信を切られたみたいだ」と、スマホ画面を指差して伝えた。


由佳たちが画面を確認してみると、残っているのはあと100人程度だということがわかった。
「うそ、いつの間にこんなに少なくなったの?」


「さっき、俺達が回答で教科書をめくる音って書いたから、詳細まで書いて正解した人だけが残されたみたいだ」
由佳の問いかけに進は早口で答えた。