『はい、そこまでで~す! おや、今回は結構な人数が残っていますね。うぅ~ん、やっぱり問題を出す順番を間違えたでしょうかぁ?』


配信者が苦笑いを浮かべる様子が安易に脳裏に想像できた。
配信者は失敗失敗とつぶやいきながら不正解者の配信を切っていく。


『次の問題ももしかしたら簡単かもしれません』
「おいおい、しっかりふるい落としてくれないと、賞金ゲットできねぇだろ!」
久貴が画面へ向けて唾を吐く。

文句を言いつつも動画視聴を止める気はないようで、視線はしっかりと配信者を見つめている。
「あと何問くらいあるんだろうね?」
「さぁ? でも学校が舞台なら結構色々な音が出せるんじゃないか? それこそ、音楽室に行けば楽器だってあるんだし」
由佳の質問に進が答えている。


その様子を和美が微笑ましそうに見つめる。
『では次の準備が整いましたぁ!』
画面から声が聞こえてきてすぐに4人は私語をやめた。

これだけ集中して相手の話を聞いている4人を、学校で見ることはほとんどない。
呼吸音すらうるさく感じられるような静寂の中、パラパラとなにかがめくられる音が聞こえてきた。