そう言ったのは和美だった。
学校の料理実習室には大きめのシンクが備え付けられている。
それに第3問の上履きやロッカーも確かに学校を彷彿とさせるものだった。


「それなら学生である俺たちが有利ってことだな」


進がニヤリと笑って言った。


「これからも学校内にあるものを使ってクイズが出るとすれば、社会人よりも俺たちのほうが答えやすい」

「確かにそうかも」


頷いているのは由佳だ。
もうすでに半数以下に減っているし、学校が舞台となっているなら断然生き残る可能性が高くなる。
これは、もしかすると、もしかするかもしれない。

由佳はゴクリと唾を飲み込んで画面を見つめた。
配信者は今次のクイズの準備をしているようで、画面に映り込みがないように黒い布をかけられている。

途中で回答がバレないように徹底しているのがわかった。
しばらく待っていると5分ほどで準備が整ったようで、画面がまた明るくなった。


『はい、おまたせしましたぁ! では続いては第4問目です!』
配信者の声に自然と背筋が伸びる。