バンッ! と不快な音が聞こえてきて由佳は顔をしかめた。


『はい! ということで上履きで歩く音とロッカーを閉める音でしたぁ!』


配信者は楽しげに拍手をする。
その間にコメント覧には『わかるわけないだろ!』『今のは卑怯だよね』というマイナスなコメントが次々と寄せられてくる。


『みなさま不正解だったからってこちらを攻めるのはやめてくださいねぇ? 残念ながら、今の問題で半数以上が脱落となります!』


配信者が機材を操作して、不正解者の配信を切っていく。
4人への配信はそのまま続けられていてひとまずホッと胸をなでおろした。


「なんだったんだろうな、今の問題」


進が苦笑いを浮かべてつぶやいた。
「レベルが上がってるってことだろ? 普通、あんなのわかるわけないって」


由佳は正解したものの答えに不満があるのか不機嫌そうな表情だ。
「だよね。上履きで歩く音とロッカーを閉める音。ふたつとも正解しないとダメなんて聞いてないし」


和美も顔をしかめている。
「ま、とりあえず正解したんだからいいじゃねぇか」


すでに気持ちを切り替えているのは久貴1人だけだ。
ようやく半数以上がふるい落とされて、いよいよ本番というところだからだろう。
目がギラギラと輝いて、まるで獲物を狙うハンターみたいになっている。


「第2問のときに見たシンクと言い、なんか学校で撮影してる感じがしない?」