「でも、他に答えがあるとは思えねぇよなぁ」


久貴も珍しく難しそうな表情で腕組みをしている。
コメント欄を確認してみると、参加者のほとんどが回答していないことにも気がついた。

やっぱり、それくらい難しい問題だったということなんだろう。
とにかくなにか答えることができたのだから、とりあえずは良しとしたほうがいいのかもしれない。


『はい、それでは回答を締め切ります! あれれ~? 今回はやけに回答が少ないですね? なにかわからなかった人が多いのでしょうかぁ?』


配信者はコメント覧を確認して残念そうな声を出す。


『そんなに難しい問題でしたかねぇ? それでは、答え合わせと行きましょうか!』


配信者が元気よくそう言った後、カメラを持って移動を始めた。
画面に映ったのはリノリウムの床とシューズだ。


「うそ!」


嬉しそうな声を上げたのは和美だ。
だけどまだ回答はわからない。

4人は大きく目を見開いて動画に釘付けになった。
配信者はシューズを履くと床の上で足踏みを始めた。

そのときにキュッキュッと廊下を歩いているときのような音が聞こえてくる。
続いて画面は灰色のロッカーを映し出した。
配信者は手を伸ばしてロッカーのドアを勢いよく閉める。