和美は残念そうに肩を落とした。
身近にあるもので音を出していたとすれば、ある程度の推測が可能だ。
だけど場所を借りたりして以外と大掛かりなことをしているとなれば、話は別だった。


「10万円がもらえるんだ、そんな簡単なことはやらねぇよ」


久貴は呆れ顔だ。


「でもさ、この調子で行けばこの中の誰かが10万円をもらってもおかしくないよね? 2問目でまだ誰も脱落してないんだから」


1問目の脱落者が100人に登ったことで由佳の希望は大きく膨らんできている。
まるですでに賞金を手に入れたかのように嬉しそうだ。


「はいはい。ほら、ちゃんと動画見てないと次の問題が始まるぞ」


久貴に言われて4人はまた画面に視線を戻した。
『はい、では続いて第3問です!』


配信者がそう言った後、キュッキュッと音が聞こえてきた。
その音はさっき食器を洗った最後に聞いた音とは少し違う。

もっと大きな音だ。
なんだろう?

と、由佳が首をかしげて耳を傾けたとき、バンッ! と大きな音がして思わず画面から身を遠ざけた。